【解説コラム】AI時代に「希望」をつくる。メンバーズが描く「FUTURE VISION」と私たちの使命

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メンバーズは2026年5月、2035年に向けた新たな長期ビジョン「FUTURE VISION」を発表しました。現行の長期ビジョン「VISION2030」をスタートして6年。このわずか数年の間にも、社会は私たちの想像を遥かに超えるスピードで変化しています。加速する気候変動、深刻化する労働人口の減少、AIの劇的な進化…。これらの社会が取り組むべき重要なテーマと真剣に向き合い、私たちの強みである「テクノロジー」の力で世の中をより良い方向に導いていこう――メンバーズが「FUTURE VISION」の中に込めた思いを、社長の髙野さんと、ビジョン策定に参加した有志メンバーの水澤さん・金澤さんに聞きました。

メンバーズ社長が語る、「なぜ今、AI・テクノロジーなのか」

――FUTURE VISIONでは、メンバーズが今後、AI・テクノロジー領域に注力していく方針が打ち出されました。社会が大きな変化を遂げる今、なぜメンバーズがAI・テクノロジーにフォーカスするのか。その背景と、目指す方向性について社長の髙野さんに聞きました。

FUTURE VISIONを策定する際、私たちはまず、メンバーズが今後取り組むべき重要テーマを改めて4つ定めました。それが、「急激な気候変動」、「労働人口の減少」、「社会の分断への危機」、そして「AI・デジタル技術の驚異的な進化」です。

この中でも、特にAI・テクノロジー領域は私たちの想像を超えるスピードで進化を遂げています。もちろんそれによって、業務の自動化・効率化が図られたり、サービスがより便利なものになったりと、世の中では良い変化もたくさん起きていますよね。しかし、その裏側では、さまざまな問題が起きていることも事実。たとえば、AIの進化によってサイバー攻撃が急増する。SNS上でディープフェイク画像が流通し、社会に混乱が広がる…などの事象は、もはや国家レベルで大きな問題となっています。AIが「自分だけが儲かれば良い」という個人的な思いや、「他国を不利な状況に陥れたい」という国家の欲望のために使われ続ければ、世の中の対立は深まる一方。気候変動のような、各国の協力が不可欠な地球規模の課題は、解決するどころかますます助長されてしまうのです。

AI・テクノロジーは、社会を変えるほどの強力な力を持っている。だからこそ、それを「何のために使うのか」という目的が最も重要だと私たちは考えています。AI・テクノロジーは、一部の企業や国の利益のためではなく、社会全体の持続的な発展と幸せのために使われなくてはならない。ビジョンステートメントに記した「Digital for Hope.」という言葉には、私たちのそんな思いを込めています。

そして、デジタルを「Hope=希望」へとつなげていくためには、「人の力」が何より重要です。AIは業務の効率化は図れても、自ら意思を持って人や組織を動かせる訳ではありませんから。たとえば、AIを活用して新しいサービスを作る、新しいテクノロジーを社内に導入・浸透させる…といった「変化を生み出す側」の人材は、AIがこれだけ進化した今も圧倒的に足りていません。そして、今後ますます求められていくでしょう。

私たちはこの現状と向き合い、今後AI・テクノロジー領域をより一層強化していきます。AI・テクノロジーを活用し、エネルギーや資源の「無駄使い」を省くことで、環境への負荷を減らしながら、企業のコスト削減や利益向上につなげていく「グリーン成長」を実現する。一方、業務の自動化・効率化によって働く人の「負担」を減らすことで、人口減少の課題と向き合うと同時に、残業の削減や余暇の充実といった「1人ひとりの豊かさ」を実現していく。これら二つを、デジタルクリエイターの創造力で「形」にしていくことが、「Digital for Hope.」の実現につながると信じています。

策定メンバーが語る、FUTURE VISIONの原流思想「超会社」

――FUTURE VISIONの原点となった経営方針「超会社」。メンバーズが目指す理想の組織像でもあるこの概念について、ビジョン策定メンバーの金澤さん・水澤さんに聞きました。

FUTURE VISIONの内容を検討するにあたり、私たちはひとつの原点に立ち返りました。それがメンバーズの源流となる経営方針「超会社」です。

この「超会社」という方針は、2008年前後にメンバーズが経験した、ある「失敗」を乗り越えるなかで生まれたものです。当時のメンバーズは、念願の上場を果たし、いかに効率的に利益を上げ、早く成長するかといった短期的な目線で経営を行っていました。その結果、社員が疲弊し、お客さまからの支持を失い、倒産の危機にまで陥ってしまった。そんな失敗に対する猛省から、「社会への貢献」「社員の幸せ」「会社の発展」の3つを同時に、妥協することなく実現する会社を目指すと決めたのです。

この「超会社」を国家レベルで実現しているのが、北欧のデンマークです。デンマークは、国際競争力、ビジネス効率性、世界デジタル競争力、SDGs達成度で世界トップクラスにありながら、幸福度も常に上位に位置しています。夫婦共働きで夕方には帰宅し、家族との時間を大切にする。それでいて日本の2倍近い労働生産性と一人当たりのGDPを誇る。この構図を、社会全体が手を取り合うことで実現している国です。

メンバーズは、このデンマークをベンチマークとして、「高い生産性」と「一人ひとりの幸福」を両立できる環境を組織レベルで実現していきます。多様なデジタルクリエイターが学び続け、お互いに高めあう。そしてお客さまに幸せをもたらす価値を提供し、会社として発展していく。その上で、冒頭に挙げられた「4つの重要テーマ」を解決に導いていける、そんな集団でありたいと考えています。

戦略の必然性。AIとテクノロジーで「バリューチェーン全体」を変革する 

 ――メンバーズが今後目指すのは、「バリューチェーン全体」の変革。支援領域を大きく広げていく背景について、社長の髙野さんに聞きました。

メンバーズはこれまで、デジタルマーケティング事業をメインに、「販売・マーケティング」「サービス」領域を中心としたDX支援を行ってきました。しかし今後、AIの進化によって企業のデジタル化はますます進んでいきます。その流れを受け、メンバーズとしても従来の支援体制から、バリューチェーン全体のデジタル実装支援へと支援領域を拡張。たとえば製品を作る「製造」の工程、それを出荷する「出荷物流」の工程など、モノの流れ全体を内側から変革していくことで、お客さまが抱える様々な課題と向き合っていきます。

バリューチェーン全体を変革していくことは、実は「社会課題の解決」とも深くつながっています。たとえば、人手不足の問題。医療や介護、物流など、様々な現場で叫ばれているこの課題も、モノの流れ全体にテクノロジーを実装し、生産性を飛躍的に高めることによって解決することが可能です。他にも、CO2の問題や地域格差、医療格差など、今は様々な分野で社会課題が生まれています。メンバーズとしても、これまでの領域に捉われず、社会課題が生まれている様々な領域においてテクノロジーの実装を進めていく考えです。

それを可能にするのが、メンバーズがもつ独自の強みだと考えています。一つは、カンパニー制(※)。メンバーズには、現在も「AI」「脱炭素」「UX」など様々な専門カンパニーがありますが、今後はそれをさらに広げ、新たな領域で積極的にカンパニーを立ち上げていく予定です。各カンパニーが高い専門性と技術力を発揮し、それぞれの産業に深く入り込むことで、より幅広い社会課題と向き合っていきます。

もう一つは、メンバーズの大きな価値でもある「あたかも社員」による支援です。あたかも社員とは、「お客さま企業の組織の一員となって成果向上を実現させる」という、メンバーズが提唱するバリューを表した言葉。戦略の立案から実行まで、まるで社員のように深く関わり、伴走することを意味しています。お客さまに深く寄り添い、高い技術とノウハウで高度な要望に応えていくからこそ、文字どおり「内側から」の変革が実現できる。バリューチェーン全体におけるデジタル実装パートナーとしての地位を確立できると私たちは考えています。

(※)大企業の中に複数の小さな組織(カンパニー)が存在し、それぞれのカンパニーが独自のビジネス目標や戦略を持って運営する仕組みのこと。この制度により、各カンパニーは自律的に意思決定を行うことができ、市場の変化に対し、迅速に対応することが可能になります。

私たちが求めるのは「テクノロジーの学びを楽しめる人」 

――これから社会に出る皆さんへ。先輩社員である金澤さん・水澤さんから「今後求められるマインド」についても話してもらいました。

社会は今、ものすごい速さで変化を遂げています。テクノロジーが想像を超えるスピードで進化し、企業も常に「変化していくこと」が求められる。しかし私たちは、これを大きなチャンスと捉えています。これから社会に出る皆さんにも、ぜひ「変化を楽しみ、変化に適応できる力」を身につけてほしいと考えています。

この力は、これから技術や知識を学んでいく上でもとても大切です。というのも、今は技術のトレンドが非常に短いサイクルで移り変わり、「過去の正解が、1年後には正解でなくなる」という状況も容易に起こり得る時代。未知の状況や新しい課題に直面する場面もきっと増えていくと思います。だからこそ、これまで自分が学んだこと・経験してきたことに固執することなく、変化を受けとめること。そして自発的に最新情報をキャッチアップできる力(ラーニングアジリティ)が大切になってくるのです。

たとえば、これをRPGゲームに置き換えてみます。プレイヤーは、ミッションを達成するために武器を手に入れますが、その武器が錆びた時には、迷いなく捨てることを選びますよね。武器が錆びたら(古くなったら)、潔く捨てる勇気を持って、新しい武器を作る・磨く(学び直す)。新たな壁が立ちはだかっても、好奇心を持って一歩踏み出してみる(貪欲に挑戦する)。これらを楽しめるマインドを持つことが、この先成果を出し続けるためのカギになると考えているのです。

メンバーズはこれから、新たな領域で、新たな取り組みを進めていきます。そして、この取り組みを成功させるために欠かせないのが、社員一人ひとりの力です。既存のサービスに捉われることなく、新しいアイデアを実践していく。失敗を恐れず、新しい手法やアプローチを生み出していく。そんな社員一人ひとりの挑戦を、全力で応援してくれるのがメンバーズという会社です。共に変化を乗り越えながら「FUTURE VISION」を実現していける仲間と、一人でも多く出会えることを楽しみにしています。

【動画】FUTURE VISIONで目指すもの【代表・髙野より】(YouTube)
コラムでは伝えきれない「FUTURE VISION」に込めた熱い想いや、AI時代におけるメンバーズの使命について、社長の髙野自らが語っています。私たちが目指す未来像を、ぜひ動画でもご覧ください。