UXから顧客接点、組織体制まで。広い領域を伴走するサービスデザイナーの仕事とは?

石川 菜月
2021年新卒入社
サービスデザイナー

石川 菜月
情報系の学部を卒業し、2021年4月メンバーズへ入社。現在はnu.Designカンパニーに所属。

サービスデザイナーとはどんな仕事ですか?

UXデザイナーはプロダクトやサービスの顧客体験をデザインします。一方サービスデザイナーはそれに加えて、顧客体験を継続的に実現するための組織と仕組みをデザインします。

お客さま側のPdM(プロダクトマネージャー)と二人三脚で動くことが多く、プロジェクトを進行管理するという意味では、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)的な立場でもありますね。ただし、サービスデザイナーはビジネス視点に偏り過ぎず、顧客体験を重視したデザインをおこなうという点で役割が異なります。

具体的な仕事内容を教えてください。

一年ほど前から、大手ネットバンクの新規事業開発におけるご支援をしています。チームの立ち上げから組織への浸透、課題解決まで一気通貫でおこなっています。

私たちがご支援するまで、お客さま社内には「サービスデザインチーム」というものはありませんでした。ですからまずは、我々がどのようなことができるのかといった理解を社内の方々から得ることが必要です。そのため現在は、デザインチームの支援実績を作り上げて存在意義を浸透させることを目的に活動しています。

具体的には、新規事業のアイデアに対してサービスデザイナーとして参画しています。その中ではユーザー調査と仮説立案・事業アイデアへの落とし込み、事業企画・成長戦略の検討をはじめ、案件の上流部分(課題の把握、方針の決定など)からプロトタイプ制作やユーザー評価など幅広くご支援しています。

この仕事のやりがいを教えてください。

新規事業の上流部分に関わりながら、顧客の体験価値の最大化にも携われるところですね。

人間の考えには常にバイアスがかかっているもの。ですので自信を持って進めていたことがユーザーにはまったく刺さらなかったりもします。他人と自分の思考の違い、そこが難しいと同時におもしろい部分ですね。

また、新規事業は不確実要素が多く、なかなか事業の成功可否がわかりません。この進め方でいいのかなどの疑問が常に付いて回ります。ですが、お客さまとメンバーズのプロジェクトチームの皆さんと話し合いながらより良いものを作り上げていく楽しさや、それを使って喜んでもらえる未来を想像することには、大いにやりがいを感じます。

仕事を進めるうえで意識していることはなんですか?

「お客さま側の担当者(PdM)の、一番の理解者であること」です。「あたかも社員®」としてお客さまと同じ目線でプロダクトについて考え、一緒に悩んだり考えたりする。そうすることでそのプロダクトにかける思いや、障壁になっている課題が見えてきます。サービスデザイナーはその悩みも含めて伴走することが重要な仕事だと思っています。

お客さま側のPdMは皆さん多忙です。企画立案者の立場なのでビジネス視点を重視し、リスクや規約、法律など、考えなければならないこともとても多いんです。その中でつい顧客視点を忘れて、ビジネス成果を追求してしまうこともあります。実際に、私たちが顧客にヒアリングした結果も、軽く流されてしまうことがあります。

私たちサービスデザイナーは、顧客視点のサービス体験に意識を置いてサービス設計をしていくのがミッション。だからこそ私たちは、お客さまのビジネス課題に深く寄り添いながら、顧客の声という確かな根拠を持って提案し続けます。お客さまを巻き込み、ビジネスの成功と最高の顧客体験を両立させるサービスを共に創り上げていきたいです。

「あたかも社員®は、顧客の組織の一員となって成果向上を実現させるという、メンバーズ社員が発揮するバリューを表現したワードです。あたかも社員は当社の登録商標です。あたかも社員(登録商標第6923667号)

メンバーズの仕事の魅力はどのような部分だと思いますか?

まるで、その企業の社員の一員であるかのようにお客さまに接していけるメンバーズの支援体制そのものですね。

通常の外部パートナーという立場では、なかなか組織内部の課題にまでは踏み込めません。しかしメンバーズでは、お客さま側の社内の状況なども考慮して、最適な提案ができます。
「ビジネス部門とIT部門の連携が取れていない」「スモールスタートな計画が立てられない」などといったお客さまの組織内部の課題まで理解し、プロジェクトの成功に向けた組織レベルの課題にまで深く介入、最適な提案をする。そうやって伴走することでお客さまにも提案を「自分ゴト化」してもらえるのは、メンバーズの組織体制ならではの魅力であり、強みだと考えています。

今後どのようなキャリアを想定されていますか?

これもメンバーズのいいところなんですが、「こういう仕事をやってみたい」と挙手できる環境があるんです。挑戦と失敗を繰り返して成長できるんですよね。私自身もコーディングやUXリサーチなど、プロデューサーとして入社してから複数の業務を経験してきました。

その上で、今はサービスデザイナーを極めたいと思っています。入社したての頃に色々新しいことにチャレンジして経験を積み、自分の得手不得手を見極めました。だからこそ今は専門性を高めるタイミングだと感じています。「これが私の強みです」と言えるようになりたいんです。

最後に、サービスデザイナーを目指している学生に向けてメッセージをお願いします!

就職活動が始まると会社に入ることが目的になり、自分が本当にやりたいことが二の次になってしまいがちです。私自身、やりたいことが見つからず「キャリア迷子」になってしまった時期がありました。

学生の頃は情報系の専攻で、動画制作など、ものづくりをしていたんです。ですがあまりしっくりこなくて。そこで、「自分で作るのではなく、作ったものをよりたくさんの人に使ってもらえるよう、広めていく仕事はどうだろう?」と考え、メンバーズに入社しました。結果としてさまざまな経験を積むことができ、今はやりたい仕事につくことができています。

人生の多くの時間を会社で過ごすことになると考えた時に、少しでも自分のやりたいことができることが重要です。人生の過渡期であるこのタイミングで、会社に「入る」ことではなく、「入ってどんなことをやりたいのか」を考えてもらえればと思います。