日常の「なんでだろう?」を大切に。自分の「好き」を伸ばし、論理的思考で切り開くUXデザイナーの道!

長山 晴香
2022年新卒入社
UXデザイナー

長山 晴香
千葉工業大学大学院 創造工学研究科 デザイン科学専攻卒業後、2022年4月メンバーズへ入社。
現在はnu.Designカンパニー Product Service Division 1Gに所属。

UXデザイナーとはどんな仕事ですか?

UIデザイナーはユーザーが直接触る部分をデザインするのに対し、UXデザイナーはサービスやプロダクトに関わる体験そのものをデザインする仕事です。

たとえば券売機だったら、乗車券を購入する画面を作っているのがUIデザイナーです。一方でUXデザイナーは、券売機を利用する前から利用後のサービス全体を設計します。券売機利用に関わる情報を整理し、クライアントからの要望を叶えつつ、ユーザーにより良い体験を与えるためにサービスやプロダクトがどうあるべきかを考える仕事です。

もう少し具体的に説明すると、Webサイトのリニューアルプロジェクトであれば、「なんだかこのWebサイト使いにくい」「利用者が多くない」という課題に対してまずは原因を探っていきます。

課題特定の方法はさまざまです。クライアントがそのサイトでやりたいことや叶えたいことをヒアリングし、理想状態と現在のギャップを探るため、ユーザー調査を行ったり、実際に自分がWebサイトを使ってみてギャップを洗い出していくこともあります。UXデザイナーの最終アウトプットとして、調査資料やワイヤーフレームを作成することが多いです。内容はプロジェクトによって異なりますが、「原因を特定して、それを解決するためのデザインを作るための整理」を行うことがUXデザイナーの仕事です。

扱う領域は広く、UIデザインにつなげるためのちょっとした設計をすることもあれば、事業戦略から関わる場合もあります。ビジネスの根幹に関わる課題に直接アプローチして、経営課題の解決にダイレクトに貢献できるような体験設計に関わることもあります。

UXデザイナーを志したきっかけについて教えてください。

デザイナーを志したのは、誰かの役に立つ仕事がしたかったから。

実は、もともとは自衛隊志望だったんです。災害などで困っている人がいたときに、自分が何もできない状態がすごく嫌で。困っている訳じゃなくても人のために役立つ仕事がしたいと思っていました。

諸事情で進路を変更することになったとき、浮かんだのがデザイナーでした。直接ではなくても、自分の作ったものが間接的に誰かの役に立ったり、人の心を動かして「誰かの役に立ちたい」と思う人を増やすことができる力がデザインにはあると思っています。そういうところがすごく素敵だと思ったんです。

この思いからアート系ではなく、工業大学に進みました。学生時代も問題解決からアウトプットまで作成するような授業が多かったです。入社してから「あれってUXの手法のひとつだったんだ」と気づいた感じですね。

具体的な仕事内容を教えてください。

現在は「大手電子機器メーカーの新規アプリ開発」と、「Webメディアサービス企業のWebサイト改修」という2つの案件をご支援しています。それぞれのプロジェクトで役割やフェーズが異なり、幅広い業務に携わっています。

新規アプリ開発のほうは発足したばかりのチームなので、お客さまもまだ手探りの状態。1年後のリリースを見据えた全体スケジュールの策定、タスクとして何を行わなくてはいけないかの情報の整理、ファーストリリース時の機能の要件定義、仕様作成などを進めています。

サイト改修のほうは、チーム唯一のデザイナーとしてUXとUIデザインの両領域をディレクション含め担当しています。

二つの案件を並行して担当しているのは私自身の希望によるところです。大変なこともありますが、さまざまなプロダクトを担当することでUXデザイナーとしての知識や経験を増やしていけますし、飽き症な自分の性格にも合っていると感じます。

UXデザイナーに必要なスキルはなんだと思いますか?

どの業務にも共通して言えることですが、UXデザイナーは特に論理的な思考力が大切です。日常的に「なんでだろう?」と考えるようにしていますね。結果に至ったプロセスが何なのかを探りたいといつも思っていて。設計した人の思考にはおそらく何らかの理由があるんですよね。

「なぜ?」「そもそもどうしてこういう話になったんだっけ?」など、改めてプロジェクトの目的や達成したいこと、背景やプロセスを細かく言語化していくこと。それが結果的にも論理的な思考となり、お客さまにも納得いただけるプロダクトやデザインに繋がると思っています。

当たり前を当たり前と思わないこと。ひねくれる、と言ったらよくないかもしれませんが、自分の当たり前と、相手の当たり前が合致していたとしても、自分と相手の考えは別物だと思って切り離して考えるようにしています。常に「なぜ、この人はそう思うんだろう?」を掘り下げるようにしているんです。なにごとにも「疑問を持つ」ことが大切ですね。

仕事を進めるうえで意識していることはなんですか?

プロジェクトが長くなったり、さまざまなステークホルダーが関わってきたりすると、ゴールを見失いがちです。なので、「ユーザーにより良いものを届ける」という目的を忘れないようにしています。当たり前のことですが、設計段階から「それを使う誰か」を意識することは必須だと思っています。

また、どんなに論理立てて考えていても間違えることはあります。より良いアプローチが存在することも。ですから、自分ひとりで悩まず、デザイナーの先輩や、職種問わずプロジェクトに関わる多くの方の知恵を借りるように心がけています。幸い、私がいる部署はUIやUXに強いメンバーがとても多い環境です。出社したタイミングで、チームメンバーや別案件担当の先輩に相談することがよくありますね。

しっかりコミュニケーションが取れていることが私たちのチームの強み。お客さま先に常駐している、別クライアントを支援しているチームはなかなか普段から顔を合わせにくいのですが、そういったメンバーも含めて週に一回情報共有とナレッジシェアの時間を設け、チーム内に知見を溜めるようにしています。

メンバーズでの仕事の魅力はどんなところですか?

さまざまな案件を経験できることですね。メンバーズは自社プロダクトを持たず多様な業界のクライアントと伴走して業務を進めていきます。なので、案件ごとに触れるサービスやプロダクト、担当するタスクが変わります。

そういう環境で、自分の得意なことを見つけることができました。私の場合は複雑に絡み合った情報を細かく整理するのが得意です。業界に対する理解や、組織構造、技術的な制約、クライアントからの要望などいろんな要素が複雑に絡み合っているからこそ、パズルのように解いていくプロセスそのものが知的好奇心を刺激してくれます。そうやって「得意」が「好き」になる。自分の得意・好きを発揮してお客さまから「すごく使いやすい」などのお言葉を頂いた時は、とても励みになりますね。

それから、挑戦的な環境と手厚いサポートの中で成長を実感できることも、メンバーズの魅力だと思います。

入社後すぐにUXデザイナーとして配属されたものの、難易度の高い案件やタスクばかりで、最初のうちは本当に何もわかりませんでした。しかし、幸いなことに尊敬できる先輩がたくさんいて、いろいろと質問できる環境が整っていたんです。「なぜその思考に至ったのか」「これはどういうことなのか」などよく質問をしていたので、とても面倒くさい生意気な後輩だった自覚はあります。ですが、そんな私を見捨てることなく先輩方にはしっかりと面倒を見ていただきました。本当にありがたいです。

そんな風にがむしゃらに続けていたら、あるとき急に「できるようになってきているかもしれない」と感じました。あの時は嬉しかったですね。

最後に、UXデザイナーを目指している学生に向けてメッセージをお願いします!

就活はなかなか思い通りにいかず、辛いと感じることもあるかもしれません。私自身「どんな仕事に就きたいか」や「将来のビジョン」がなかなか見つけられず、周りの人と比較して落ち込むこともありました。

仕事は人生の中でも多くの時間を費やします。私はその時間を「できるだけ自分の好きなことができる時間」にしたかったので、自分の好きな「人の役に立つデザイン」に関することを事業として行っているメンバーズを選びました。

皆さんもこの就活のタイミングで、自分の好きなことや大切にしたいことをできる限り深掘りし、言語化してみてください。

何か選択を迫られたときに意志を持って選択する力、「自分はなぜこれを選ぶのか」と論理づける力は、早いうちからトレーニングしておいた方が絶対にいいと思います。そういった力はUXデザイナーにとっても必須スキルです。就活はその絶好の機会ですし、そこで身につけた力は今後の人生で活きてくると思います。

「自分のやりたいこと」と「価値を発揮できる場所」を突き詰めて考え、妥協なく企業を探し求めた結果、たどり着いたのがもしメンバーズであればとても嬉しいです! 一緒に仕事ができることが楽しみです!

自分の人生は自分で彩っていきましょう!