【UXリサーチャー】ユーザーの声を具現化させ世の中に新たな価値を創出するために行うこと

2019年新卒入社
UXリサーチ

UXとは、「ユーザーエクスペリエンス」の略で、製品やサービスなどを使うときに得られる「体験」や「経験」のことを指します。
UXリサーチャーの業務であるUXリサーチは、UXデザインのプロセスの一部であり、調査によってユーザー心理やユーザーニーズを明らかにし、ユーザーの体験価値を向上させることを目的としています。

今回はUXリサーチを行う野上さんにインタビューしました!

野上 千裕

自動車メーカーにUXリサーチャーとして常駐。
※2023年5月時点での情報です。

2019年4月 新卒入社

学生時代は何をしていましたか

大学入学前になりますが、海外へ旅行や留学したことをきっかけに食に関する文化や問題について考えるようになり、調べていく中でBOPビジネス※というビジネス戦略を知りました。 

例えば、先進国では1つの商品として売られている食品を発展途上国では5つに分割し売るとします。そうすることで1つの商品として売っていた際には価格が高く購入者がいなかったものでも分割することで発展途上国の人でも買える価格帯となります。企業としては購入者が増え売り上げが伸び、発展途上国の人にとっては高くて買えなかった食品を必要な分だけ購入できるため、結果的に飢えを回避することができます。このビジネス戦略を知り、社会課題解決とビジネスを紐づけることに面白さを感じ興味を持ちました。
そのため、社会課題解決とビジネスについて学ぶことができる大学に進学しました。

大学ではCSRやCSVマーケティングを積極的に取り組んでいる企業さまから講演を聞いたり、社会課題解決をテーマに産官学協同プロジェクトに取り組みました。産官学協同プロジェクトでは埼玉県三芳町を始めとした地域活性化 のため、フィールドワークや、役所/住民/農家の方とディスカッションをしながら町おこしのためのプランを村長/役所の方に提案を行いました。

※「発展途上国の低所得層を対象とした現地における貧困を原因とする社会的課題の解決と、利益確保の両立を目指す」ビジネスのこと

メンバーズに入社した理由を教えてください

入社理由としては2点あります。

1点目は、メンバーズの理念を好ましく思ったためです。
前述の通り、私は社会課題解決をしながらビジネスを行うことに興味を持ち大学に進学しました。そのため、「社会課題の解決」と「事業の成長」を同時に実現していくという経営方法を用いて、デジタルマーケティングの観点から人の消費行動を変革させるというメンバーズの理念に共感しました。

2点目は提案から実行まで一貫して関われるためです。
大学での産官学協同プロジェクトはとても貴重な経験になりましたが、提案部分だけに留まり実行部分に関われないことを非常にもどかしく思っていました。合わせて、私はお客さまやチームメンバーなど様々なステークホルダーと関わりながら形にしていくことに喜びを感じます。

そのため、戦略部分である提案だけや二次工程として制作だけを請け負うのではなく、一気通貫して提案から実行まで行えることに魅力を感じました。

現在の仕事内容について教えてください

サービス企画検討やプロトタイプを用いた実証を行っています。

サービス企画検討では、プロジェクトメンバーとともに、ユーザーに喜ばれるサービスや体験を世に送り出すために、UXリサーチャーとして優れた情報を見つけることを目的に様々な調査や分析を行います。

なぜ様々な調査が必要なのかというと、ユーザーにとって何が特別な体験価値となっているのか特定する必要があるからです。そのために、ユーザーの顕在的・潜在的な不満や体験価値を向上させるポイントの整理も行います。

例えば、自分が直接足を運んで現地の人の状況を見聞きし感じることでインターネットでは知りえない一次情報を集めるエスノグラフィー調査や類似サービス体験、ユーザーの生の声を聞くインタビューなどの定性調査やデスクトップリサーチなどがあります。ほかにも調査結果に基づいて、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどを作成します。

プロトタイプを用いた実証では、サービス企画段階で調査し設計したペルソナやカスタマージャーニーマップをもとに、私やユーザーが実際にサービスを体験し設計通りにユーザーの体験価値を創出できているかを確認します。問題があった場合、どこに不備があったのか検証を行いながら完成に近づけていきます。

UXリサーチャーとしてのやりがいは何ですか

プロジェクトに足りない情報や、お客さまの「こんなことを知りたい」をキャッチアップし、速やかに有益かつ精度の高い情報を収集・共有することによってプロジェクトメンバーの意思決定に繋がったときです。
また、実際にサービスが活用される現場に行ったからこそ気づいた情報をプロジェクトメンバーに共有した結果、アイディアの幅が広がったと感じられるときです。私自身も現場に足を運ぶからこそ実体験をもとにサービスを考えられるようになるため、現場に足を運ぶことにも魅力を感じています。

以上この2点にやりがいを感じており、UXリサーチャーとしてキャリアを歩み始めて良かったと思っています。

UXリサーチャーになって変わったことや気をつけていることはありますか

サービスを提供する側としての視点が増え、業務外でも自分の体験を記録するようになりました。

分野としては、現在お客さまと新しいサービスを開発しているため、そこで使用する可能性のある最新の技術を活用したサービスやプロダクトを中心に記録しています。プライベートでもなにか新しいことを体験する際や、なにかに感動すると「どの部分にわくわくしたのか」「どんな人が体験しているのか」「体験のなかでの違和感はあったか」などを自問自答するようになりました。私はUXリサーチャーの役割として「当たり前のことを言語化すること」も大事なことだと思っています。人は関心のあるもの、自分にとって必要なことだけを選んでみているからこそ見えていないものがあるという意識をもって記録を取るようにしています。

その上で気を付けていることもあり、ユーザー視点だけではなく、サービス提供側としての視点も持ち始め視野が広がったからこそ、様々な事象に関心を持つようになりました。ですが、まずはユーザーがどんな様子で行動しているのかを観察し、そのうえで疑問があればサービス提供者に直接話を聞くようにしています。あわせて珍しい事象に目を向けすぎないように意識して、サービスを使う大部分の人の思考や行動を読み取るようにしています。

例えば水上バスの乗車体験をした場合、UXリサーチャーになる前の私であれば景色がよく見える席を選び、ずっと外を見て風景の写真を撮っていたと思います。しかし、現在の私は画像のように体験前後も含め記録を取るようになりました。

今後の展望を教えてください

ユーザー中心のモノの見方だけでなく、サービス提供者視点をさらに広げていきたいです。

また、現在はUXリサーチャーとして活動していますが、職種の垣根なくサービス開発に携わっています。そのため、引き続きリサーチ領域だけではなく、サービスのアイデアだしや企画検討などUXが関わるサービス開発の様々な行程に関わりたいと考えており、UXリサーチに強いサービスデザイナーになりたいと考えています。

自分が調査した内容がプロジェクトに活用される/意思決定の後押しになるのは勿論ですが、調査だけに留まることなく、プロジェクトメンバーの一員として調査以外の工程にも最初から最後まで関わり、サービスをお客さまや消費者に届けることで社会に新たな価値を創出したいです。