全社員参加型ワークショップ「Members Quest」。社会課題という「正解のない問い」を解くために、デジタル・IT業界であえて3,000人がリアルに集う。

企業文化

株式会社メンバーズには、年に一度、全社員が「ミッション・ビジョン(以下MV)」と向き合う特別な期間があります。その名も「Members Quest(メンバーズ・クエスト)」、通称メンクエ。

3,000人規模の社員が総出で社会課題やMVを議論し尽くすこの研修に、なぜメンバーズはこれほどまでの熱量を注ぐのでしょうか。社員、そしてこれから入社する若手にどのような姿を期待しているのでしょうか。運営事務局を務める涌坂さんと湯屋さんにお話を伺いました。

今回インタビューした運営メンバー

  • 涌坂 春香(わくさか はるか)【写真右】 :2017年入社。現場の第一線でデザイナーとしてクライアント企業に常駐。「モノづくりも組織づくりも、根幹は一緒」という想いから、2025年10月にバックオフィスへ異動。

  • 湯屋 瑛仁(ゆや あきよし)【写真左】 :2024年新卒入社。大学時代はサンゴの研究に没頭しており、デジタルビジネスの知識ゼロで入社した。自他共に認める「ビジョン採用の申し子」。入社2年目にして全社イベントの運営を担う。


Q1.Members Quest(メンクエ)とは社内でどういう位置づけのイベントなのでしょうか。

涌坂:「メンクエ」とは、年一回、全国各地の会場に全社員が集結し、MVを再認識するための社内イベントです。メンバーズには、社会課題解決に繋がった現場の好事例を称える「ソーシャルバリューアワード」や、その事例を自部門の業務に落とし込んでどのような未来を目指すかを考えるワークショップ「ソーシャルバリューミーティング」といった社内イベントがあります。そしてメンクエはそれらと並ぶ重要な役割を担っています。「MVを追求する意味」を自分事として捉え直し、意欲を高めるのがメンクエです。この3つのイベントをサイクルとして回し続けることで、メンバー一人ひとりの日常業務の延長線上でMVの実現を加速させていく。それこそが、私たちが大切にしている理想の姿です。

湯屋: 普段は目の前の業務に没頭している社員も、この日ばかりは最前線から離れ、あえてリアルな場で顔を合わせて対話を重ねます。社会課題に対して自分たちに何ができるのか。メンバーズが大切にする「自ら考える」というマインドセットが凝縮された、熱いイベントですね。

Q2.メンクエの前身である「Members Training(メンバーズ・トレーニング/メントレ)」は、どのようなきっかけで始まったのですか?

涌坂:当時から在籍していた方に伺ったのですが、2013年頃、会社として大きな転換期にいました。経営危機を乗り越え「さあ、ここからもっと飛躍しよう!」というタイミングだったといいます。

その時、一部の経営層だけで未来を決めるのではなく、「社員全員の知恵を借りて、自分たちの進むべき道(Vision2020)を決めよう」と。そこで始まった全社員参加型のワークショップがすべての原点です。

そこで「自分たちはビジネスを通じて、どう社会に貢献したいか」を全員でとことん考え抜いたそうです。その時の熱量が、今の「みんなでMVや社会課題を考える」というメンバーズらしい文化に繋がっています。

Q3.以前は「トレーニング」という名称でおこなっていたワークショップの名称が、「クエスト」に変わった理由を教えてください。

涌坂: 「トレーニング」は、どちらかというと「訓練」や「教わる」というニュアンスが強かったんです。でも、MVの実現に「これさえやれば正解」というものはありません。会社が正解を与えるのではなく、社員全員で向き合い、考え抜く姿勢を大事にしたい。そんな意図から「探求」を意味する「クエスト」へと変更されました。

Q4.デジタル・IT業界に属する会社が、あえて「リアルな場」で社員研修を開催する理由はなぜですか?

涌坂: 意欲や熱量を高めるには、やはりリアルな場が欠かせません。多くの社員が集まり、模造紙を囲む。そんなアナログな熱量が飛び交うワークショップを大切にしていますね。MVに本気の姿勢を会社側が社員に見せること、それに社員が共感すること。また、普段関わらない仲間が集まる場所に出向き、刺激を受けることで生まれるものがあります。

湯屋: 私は学生時代、研究職として社会課題と向き合っていたので、そこに共感して入社しました。一般的な企業なら「できたらいいよね」という理想論で終わりそうな社会課題やミッションの話を、メンバーズでは「現実としてどう実現するか」と、驚くほど真面目に議論し続けます。この「理想を現実に変えようとする貪欲さ」こそが、「メンバーズらしさ」の正体だと思っています。

Q5.現場で成果を出すチームにもその「貪欲さ」は共通していますか?

湯屋:そうですね。たとえば現場で成果を出すチームはクライアントやその顧客に求められる成果を創出するだけでなく、その先の社会へ貢献するには何ができるかを真剣に、かつ全力で考えている印象があります。

涌坂: お客さまを理解したうえで、「与えられた仕事だけをやる」のではなく、自ら提案し、泥臭く動く。「あたかも社員®(あたかもクライアント企業の一員であるかのような当事者意識を持つこと)」として自走する姿勢が、現場の成果にも直結しています。「自分から手を伸ばすこと」で成果が変わって来ます。

※あたかも社員®は当社の登録商標です。あたかも社員(登録商標第6923667号) 


Q6.普段接点のない社員同士が組むことも多いと思いますが、チーム編成の狙いは?

涌坂: 若手が孤立しないよう、年次が近い人と離れている人をバランスよく配置していますね。年次や職種のバランスが取れていると、自然とチーム内でファシリテーターが出てきて、コミュニケーションも活発になります。そうするとアウトプットも良いものになります。「解」を見つけるのはあくまで参加者なんです。

湯屋: 会社としては、若手の気づきはもちろん、若手からベテランへ還元される新たな視点の双方が重要だと考えています。実際、先輩社員から「若い子たちの意見を聞けて良かった」という声も多く、フラットに意見を出し合える土壌があります。そういう環境が「メンバーズらしさ」のひとつである「全員参加型経営」にも繋がっていますね。

Q7.現場の業務を止めて「社員の貴重な半日」を預かる分、ワークの「納得感」や「中身の濃さ」が重要になりますね

涌坂: 単なる周知の場ではなく、年に一回はじっくりMVと向き合う時間として刺激を受け、気づきを得てもらえるような場にしています。基本的にはその期のメンバーズの戦略や方針の注力事項に基づいてテーマが決められます。そのテーマに対して社員一人ひとりが考え、自分たちなりの”解”を見つけて行動するきっかけを持ち帰ってもらう、そんなワーク設計を心がけています。例えば2025年度は「デジタルクリエイターの幸せ」というテーマでした。チーム内で各々の考える「幸せ」な姿を色とりどりの付箋で共有し合い「社会の幸せを目指して日々取り組んでいくことで、MVが自ずと実現していく」という共通認識を持ってもらうワークでした。

湯屋: 2025年度は抽象的で難しいテーマでしたが、参加者からは「難しかったけれど、社会の幸せを考える良いきっかけになった」という肯定的なコメントを多数いただいています。

Q8.「全員参加のリアル研修」というユニークな取り組みは、クライアントとのコミュニケーションにも影響を与えていますか?

涌坂: 現場に戻った際、クライアントとの関係構築における非常に良いネタになっていました。「実は先日、全社員でこういう取り組みをしたんです」というお話をすると、興味を持って面白がっていただけることが多いですね。

湯屋:私自身、1年目に参加した後は同期との間で「こういう学びがあったから、今の業務でも意識してみよう」といったナレッジシェアが活発になり、日々の小さな行動の変化に繋がっていると実感しています。

涌坂: 営業担当や役員からも、クライアントからメンクエについて問い合わせをいただくという話をよく聞きます。「毎年、3,000人で本気になってMVを議論している」と伝えると、良い意味で「クレイジーだね」と驚かれることもあります(笑)。「どうやってそれほど大規模に理念を浸透させているのか」と興味を持ってくださり、中には「実際の様子を見てみたい」とおっしゃるトップ層の方もいらっしゃるほどです。

当社の強みをお客さまにお伝えする際、「メンクエ」は「理想を理想に終わらせず、泥臭く実現を探求するメンバーズの企業文化」を象徴する事例として語られることが非常に多いですね。

Q9.これからメンバーズに入社する学生に、今から育んでおいてほしい「視点」や「習慣」はありますか?

湯屋: メンバーズが掲げるMVは、単なる理想論ではありません。メンバーズはそれを「現実としてどう実現するか」を真面目に議論し、追求し続ける人の集まりです。そのため、入社時点で完成されたITスキルがあることよりも「いかに自分で情報を取りに行けるか」という積極的なキャッチアップの姿勢を何より大切にしています。さまざまなことに常にアンテナを張り、自発的に学び続ける習慣を、ぜひ学生のうちから養ってほしいですね。

涌坂: メンバーズは、主体性を持って行動する人へのサポートを惜しまない会社です。逆に言えば、会社から指示を与えられるのを待つのではなく、社会に貢献しようとする主体性が不可欠です。メンクエなどの場を通じて得た気づきを、単なる「学び」で終わらせず、日々の業務や具体的なアクションに落とし込み、自分の身に浸透させていける人材に期待しています。

Q10.最後に、この記事を読んでいる学生のみなさんへメッセージをお願いします。

湯屋: メンバーズは、何よりも社員一人ひとりの「意志」を尊重します。AIが答えをくれる時代だからこそ、自分自身で質の高い「問い」を立て、100%の正解を疑い、自分の足で体験しに行く「行動欲求」を大切にしてほしいなと思います。

涌坂: 会社としての究極の理想は、実は「メンクエというイベントがなくても、全員が日々ミッション・ビジョンを考えて行動している状態」です。日々情報を自らキャッチアップし、メンバーズというフィールドを使い倒して、社会にインパクトを与えたい。そんな「探求(Quest)」を一緒に楽しめる仲間を待っています。