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DXの重要性が高まる中、日本企業の取り組みがなかなか進んでいないという指摘があります。(※) デジタル庁の発足など、国を挙げての取り組みが進んでいますが、さまざまな課題が企業のDXを阻んでいます。

そこで本記事では、DXを進めていく上での課題を整理して、具体的な対策と合わせて検討していきましょう。

※:デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ
https://www.mckinsey.com/jp/~/media/McKinsey/Locations/Asia/Japan/Our%20Work/Digital/Accelerating_digital_transformation_under_covid19-an_urgent_message_to_leaders_in_Japan-jp.pdf

経営戦略の不在

DXを実行していく上で、経営戦略が十分に描けないことは、2018年の経済産業省によるレポートなどでも指摘されていました。そこでは以下のような指摘がされるなど、経営層が方向性を模索している現状が記されていました。

DX の必要性に対する認識は高まり、そのための組織を立ち上げる等の動きはあるものの、ビジネスをどのように変革していくか、そのためにどのようなデータをど のように活用するか、どのようなデジタル技術をどう活用すべきかについて、具体的な方向性を模索している企業が多いのが現状と思われる。(※1)

ボストン・コンサルティング・グループの調査(※2) によれば、DXに成功した日本企業のうち「ビジョンや優先順位付け、技術と人材、ロードマップ計画を含む包括的な戦略を構築している」と回答した企業は82%に上り、失敗した企業の8%とは大きな差が出ています。

ただしこうした問題は、2019年から20年にかけてDXに関する理解や経営レイヤーでの議論が進んでいく中で改善されているといえます。たとえば、電通デジタルが2020年におこなった調査(※3) では、DXの課題として「スキルや人材不足」が挙げられているのに対して、「デジタル全社戦略の策定と実行」は一定度の成果が出ているとする企業が増加しています。DXの重要性については一定度の認知が広まり、経営戦略の重要課題として組み込まれはじめたといえそうです。

※1:DXデジタルトランスフォーメーションレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

※2:デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功している日本企業は14%
DXのサイロ化を超えた包括的な戦略が成功のカギ~BCG調査
https://www.bcg.com/ja-jp/press/28october2020/14-percent-japanese-companies-succeeded-digital-transformation-comprehensive-strategy

※3:日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査2020年版
https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/1218-000737/index.html

既存システムが抱える問題

DXの課題には、ブラックボックス化や刷新コストなど既存システムが抱える問題が大きいことも指摘されます。そもそも日本企業は、新たなビジネス・モデルの構築やサービスの開発のための「攻めのDX」ではなく、業務効率化やコスト削減のための「守りのDX」に重きが置かれていると言いわれます。

NTTデータによる2019年の調査(※1) でも、「業務処理の効率化・省力化」に取り組んでいる企業が84.0%、次いで「業務プロセスの抜本的な改革・再設計」が61.1%となっており、いずれも企業は「守りのDX」を中心に実行しています。

「守りのDX」をおこなう過程では、既存システムの負債が重くのしかかっていきやすいことも指摘されており、「技術的負債を解消し、人材・資金を維持・保守業務から新たなデジタル技術の活用にシフト」(※2) するというDXの本丸に至ることは難しいといわれます。

もちろん「守りのDX」をおこなったあとに、「攻めのDX」に移行するというフェーズの問題はありますが、下記記事で紹介したように、DXを後押しする組織文化を構築することも重要です。

「攻めのDX」をおこなう上では、新規事業や新しい体制につきものの失敗を許容する文化が必要となってきます。具体的には、DXに携わる人材の評価制度を最適化したり、マネージメント層が前例にとらわれない意思決定を進めることも重要になります。こうした組織文化の変化とともに、既存システムの刷新をいち早く計画的に断行し、「攻めのDX」へと切り替えていくことが重要だと言えるでしょう。

※1:日本企業のデジタル化への取り組みに関するアンケート調査
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/190820.html

※2:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

ベンダー企業との関係

上記と関連して、DXの障壁となっていくのが、ベンダー企業との関係です。

DXにおいては、従来のベンダー企業との関係も「現行ビジネスの維持・運営」から、ユーザー企業と「DXを一体的に推進する共創的パートナー」(※1) となることが求められます。その過程では、新たなビジネスモデルを顧客と共に考えたり、 DXの実践により得られた企業変革に必要な知見や技術を広く共有したり、レガシー刷新を含めたDXに向けた変革の支援などが求められます。

しかし企業側もベンダー企業側も、お互いをどのように活用してDXを推進していけば良いのか方向性が見えづらく、アクションに落とし込みづらくなっている現状があります。デル・テクノロジーズによれば(※2) 、調査した企業のうち6割以上が、ベンダー企業へ強く依存していることが判明しており、外部パートナーとの補完関係ではなく、依存関係に陥っていることが指摘されています。

DXを実行する人材の確保は、ますます困難になっていくことが予想されるため、自社での採用・育成以外にも、外部ベンダーの確保と適切な関係の構築は必須です。企業側は、下請けに丸投げする従来の発注スタイルを見直し、ベンダー側はクライアントに適した技術や知見、ビジネスモデルを提案するなど、両者が新たな関係に向けて主体的に動いていくことが重要となります。

※1:DXレポート2中間取りまとめ
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_2.pdf

※2:2021年度版 DX動向調査
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2101/20/news016.html

DX人材の不足

そして最後に、DX人材の不足です。この課題については、多くの企業からDXを推進する上での最も大きな課題として認識されており、以下の記事で詳しく説明しています。

▼DX人材とは?どのようなスキル・マインドセットを持った人物が求められるのか?
https://recruit.members.co.jp/column/20210323/

IT人材が不足する中、DXに取り組むことができる人材の採用・育成は急務となっており、これらは日本全体が抱える大きな社会課題であると言えます。

DXの課題に取り組むメンバーズ

わたしたちメンバーズも、DXの様々な課題に取り組む企業の1つです。わたしたちはこれまで主力事業の「Web マーケティング運用支援」において、長年デジタルマーケティング領域でノウハウを培ってきました。

DXが社会全体から求められるようになった現在、こうした技術や人材、知見などを広く活用して、企業のデジタルシフトを支援しています。DXを通じて、企業や社会が抱える様々な課題を解決したい方は、ぜひメンバーズへの応募を検討してみてください。

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