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パンデミックなどを通じて、日本企業がDXへの取り組みをますます進めている中、人材確保が課題となっています。今回は、DXにおいてなぜ人材が重要であり、どのような人材がDXに求められているかを紹介していきます。

DXにおける人材の重要性

DXを推進する上では、人材の重要性が指摘されることが多くなっています。例えば電通デジタルによる調査(※) では、日本企業について「DX加速を迫られているものの、人材の育成が経営課題となっていることが浮き彫り」になっていると明示されています。

ただでさえ、IT人材の不足が叫ばれていますが、今後は企業だけでなく、行政なども積極的にデジタル化に取り組んでいく方向が示されており、多くの組織がDX人材を求めるようになるでしょう。その結果、DX人材を採用するだけでなく、社会で育成したり、適切に評価するプロセスをつくっていく仕組みが不可欠となっています。

※:日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査2020年版
https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/1218-000737/

DX人材の職種

そもそも、DX人材と一口に言っても、どのような職種が該当するのでしょうか。たとえば、IT・Web業界では以下のような職種が知られています。

・ディレクター・プロデューサー
・プロジェクトマネージャー
・デザイナー
・UI/UXデザイナー
・エンジニア
・データサイエンティスト

これらは、いずれもDXをおこなう上で必要となる人材ですが、具体的にどの職種がDX人材だという定義はありません。また各企業によって呼称や役割が異なるため、いずれの職種が不足しているから、問題だという話でもありません。

ただし、DXが単なるデジタル化ではなく、業務プロセスや事業モデルそのものの変革であることを考えれば、まず最初に自社組織やビジネスモデルにおいて、なぜDXが必要であり、どのような戦略を描くべきかを構想する人材が必要となることは間違いありません。たとえば経済産業省は、以下のように述べています。(※)

「DX人材」とは、自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材を指す。さらに、DX人材には、社内外のステークホルダーを自ら陣頭に立ってけん引し、DXを実行することが求められる。

すなわち、エンジニアやデザイナーなどものづくりに直接的に関わる人材に限らず、事業環境や技術的与件、データの活用などに総合的に精通したディレクション、マネジメント・サイドの人材が不可欠であると言えます。

※:DXデジタルトランスフォーメーションレポート2(中間取りまとめ)
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-2.pdf

DX人材に求められるスキル・マインドセット

上記の点を踏まえると、DX人材にとってエンジニアリングやデザインなどのスキルは重要な要素ではあるものの、それはあくまでDXを実現するための手段の1つであり、技術や事業への理解と、それにもとづく戦略や与件の構想、そして関係者を巻き込んだ実行力・推進力などが重要であることがわかります。

株式会社三菱総合研究所は、DX人材のスキルを「データサイエンス・エンジニアリング」スキル、「ビジネス・サービス設計」スキル、「組織・プロジェクト管理」スキルの3つに大別していますが(※) 、「デジタル人材にはハードスキルだけでなく、むしろマインドセットがより求められる」ことを強調しています。

では、具体的にどのようなマインドセットが重要なのでしょうか?

前述の経済産業省のレポートでは、経営者やマネジメント層によるアジャイルマインド(俊敏に適応し続ける精神)や、心理的安全性の確保(失敗を恐れない・失敗を減点としないマインドを大切にする雰囲気づくり)が重要だとされています。

これは各企業・組織のDXは、与件や解決すべき課題が不明瞭なところからスタートすることが多く、プロジェクトを柔軟に変化させて実行し続ける必要があることや、技術が急速に変化する中で、時代や状況にあわせて取捨選択をおこなう必要があることなどが背景にあります。

そのためDX人材にとっても、「常に新しい技術に敏感になり、学び続けるマインドセットを持つこと」が重要なのだと言えます。

他にも、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、「これからの人材のスキル変革を考える~DX時代を迎えて~」という資料の中で、以下のようなマインドセットを挙げています。

・現状を変えたい思考
・諦めない力/やりきる力
・柔軟なプロジェクトマネジメント能力
・リソースマネジメント能力
・新しいビジネス企画力・推進力
・巻き込み力/調整力
・失敗を恐れず、固執せず、糧にできる力

いずれも事業をおこなう上では重要、もしくは必須のマインドセットではあるものの、こうした指摘に共通するのは、DXというプロジェクトが決して短期的なものではなく、中長期に渡って事業の方向性を決めるものだということです。だからこそ、変化や失敗を恐れずに、粘り強く柔軟にプロジェクトを推進していき、その土台となるトレンドや技術を学び続けるマインドセットが特に重要だと言えるでしょう。

※:DX成功のカギはデジタル人材の育成 第3回:DX人材に求められるスキルとマインドセット
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20200729.html

DX人材を活用するための組織文化

では、企業はどのようにDX人材を採用・育成・活用していけば良いでしょうか。まず、日本においては、人材の流動性が低く、IT人材が IT企業に偏在していることから、企業がDXを実行するための必要人材を確保できる状況にはないと、前述の経済産業省のレポートでも指摘されています。

そのため、各企業が独自の採用・育成に力を入れていかなければならないことは確実です。実際、その流れは新型コロナウィルス感染拡大以降に強まっていると言われており、2021年も引き合いが強いのは、DX関連職種だと指摘(※1) されています。

一方で思うように採用が進まない企業も多いと指摘されており、その理由は「求人に際して、経験・スキルの要件を明確に定義」できておらず、トップも企業戦略や組織体制のヴィジョンがないことなどが挙げられています。そのため、企業とともに組織のあり方を考えたり、戦略を構築するフェーズから外部企業がサポートするケースも増えていると指摘(※2) されています。

すなわち、DX人材を採用するためには、まず企業がどのような事業や組織の戦略を描いているかを明確にし、そのために必要な人材の要件を定義することが重要だと言えます。

またIT人材のひっ迫やスキルの変化などを見越して、2025年までの育成が重要だという指摘があります。DX人材を育成するためには、採用と同様に経営者やマネジメント層の理解、適切な予算、評価精度の最適化などが求められます。

そして、優れた人材を活用するためには、組織全体がDXに適合していることが重要です。具体的には、ピラミッド型の階層組織や上意下達の指揮命令、過去の成功体験に基づく意思決定ではなく、DXの必要性への理解などに加えて、ファクトに基づく意思決定や人材の多様性、正当な報奨、リスクの許容と失敗からの学習などが重要だと指摘(※3) されます。

※1:2021年 転職市場の展望
https://www.recruitcareer.co.jp/news/20201223ghu7sk.pdf
※2:コロナ禍でも求人数4倍の人気、「DX人材」の採用に苦労する企業の特徴
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00577/100800016/
※3:デジタル時代に求められる組織文化–円滑なDXの推進を支える6つの要件
https://japan.zdnet.com/article/35163793/

メンバーズはDX人材をどのように育成しているのか

メンバーズでも、DX人材の育成に積極的に取り組んでいます。メンバーズではクライアント企業のビジネス理解度が高いDXプロデューサー・クリエイターを提供し、企業のデジタルシフトを支援していますが、そのためにはDX人材の育成が欠かせないからです。

変化の激しいデジタル業界において、高いパフォーマンスを創出し続けるクリエイターの育成のため社内講座「Co-Creation Digital Lab.」を開催したり、専門スキル育成と社員の交流を促進するため、組織横断型に専門研究機関「ラボ」を設置しています。

他にも、メンバーシップトレーニング(メントレ)や資格取得支援など、様々な制度によって、DX人材のスキルやマインドセットを獲得するための環境が用意されています。DX人材として、企業や社会が抱える様々な課題を解決したい方は、ぜひメンバーズへの応募を検討してみてください。

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