面接官インタビューでは、実際に面接官を担当する社員が就職活動について語る連載企画です。今回は常務執行役員 高野が「貴重なキャリアの出発点、企業選びで重要なこととは?」について語ります。会社選びで悩んでいる学生は必見です!
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皆さん、こんにちは。経営企画担当役員の高野です。
前回のコラムで「大企業とベンチャー、どっちがより成長できるのか?」について書きました。平たく言うと、「成長できるかどうかは当人の主体性次第なので、大企業でもベンチャーでもどっちでもよい。成長できるかどうかで企業選びをするなんてナンセンス」という話をしました。
では、どのように企業選びをするべきなのか、ということを今回は書いてみたいと思います。個人的には、贅沢なことを言ってないで入れるところ、求められるところでつべこべ言わず働くべし!という考え方も嫌いではありませんが、新卒一括採用が普及している今の日本の就職活動という競争市場においては、こういうことをしっかりと考えられていた方が明らかに有利だと思いますのでお付き合いください。

なぜ、自己分析が求められるのか。

「自己分析」は今ではすっかり当たり前になりましたね。いろんな場面で、その重要性を聞かされると思いますし、私もとても大事だと思います。自分はこれまで、どんなことにチャレンジしてきたのか。どんなことに夢中になれるのか。どんなことに嬉しさ、充実感・達成感を感じるのか。どんなことが悔しいのか、許せないのか。これらの自分の価値観を把握することは、どんな企業と自分がマッチするのかを考えるための基礎材料になります
企業にもその企業の価値観というものがあり、それを社風として明示しています。一緒に働いていて楽しいか、違和感がないか、すごくラフに表現するとノリが合うかどうか、ということがこの価値観のマッチングによって決まってくるわけです。更に言えば、その企業の価値観はその企業がビジネスをどのように行うか、ということを規定する根本になっています。

企業ごとに異なる価値観

メンバーズを具体例にして、説明します。メンバーズでは全社の重要な共通の価値観をコアバリューとして明示しています。「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」の4つです。私は、まさにメンバーズらしくて良いと思いますが、一方で普通のネットベンチャー企業らしくない、とも思っています。一般にイメージするネットベンチャー企業では、「貢献」や「誠実」を掲げないですよね、きっと。「挑戦」は、ベンチャー企業の存在意義みたいなものなので一般的ですが、例えばテクノロジーに強いアドテク、AI系の会社であれば「革新」という言葉が似合います。インターネットは娯楽の側面も強いのでゲームを事業としている会社も多いですがそういう会社は楽しむこと、楽しませることが好きなのでしょう。そのような言葉がコアバリューとして掲げられていると思います。
メンバーズはやはり、これらのどこにもあまり似ていません。もちろんベンチャーとして世の中に大きな影響を与えられるような存在になりたいと思っていますし、そのための強い成長志向を持っています。ネット業界に求められるテクノロジーは先進的に活用しますし、社員はみんな娯楽としてのインターネットも好きだと思います。しかし、そのビジネス領域や世の中にどのような価値を提供するのか、そのためのアプローチや働き方は、「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」に沿ったメンバーズ独特なものとなります。メンバーズではそれらをMEMBERS WAYとして定めています。一括りに捉えられそうなネットベンチャーでも、当たり前ですがそれぞれ全く違う価値観なのです。

満足のいくキャリアを歩んでいると実感するためには?

また少し別の角度から書きます。キャリア論が専門の慶應義塾大学 高橋俊介特任教授の実証研究によれば、ビジネスパーソンが満足のいくキャリアを歩んでいると実感するには、3つの要素があるそうです。(参考文献:高橋俊介(2012) 『21世紀のキャリア論―想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア』 東洋経済新報社)1つ目は学び続けること。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、例えば経済産業省が発表している「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(参考:http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf)」の「IT人材に関する各国比較調査」の結果を見ると、日本のIT人材は、「自主的に勉強している」と回答した割合も最も低く20%に満たないという結果となっています。これでは満足のいく成長、キャリアが得られないのは言うまでもありません。
2つ目は多くの人と関係を構築すること。キャリアというと個人の問題、個人で築き上げるものと考えるかもしれませんが、多くの人と関係を構築しておくことで選択肢や自身の世界観は大きく広がります。そしてこの人に仕事をお願いしたい、この人と一緒に働きたい、と思ってもらえるようになってこそ、よい仕事の機会が巡ってくるものだと思います。
3つ目は自分の仕事の意味・意義を理解していること。自分は何のために仕事をしているのか、誰にどんな価値を提供しているのか。自分・家族の生活のため、仲間・チームの仕事の成功のため、会社の成長のため、顧客の役に立つため、社会・国・世界をより良くするため・・・等。高邁な理想を掲げろと言いたいのではなく、多角的・複合的に把握して自分の仕事を位置づけるべきだということです。人は極めて社会的動物であり、誰かの役に立っている、何か意義のあることに貢献しているという実感が充実感・幸福感に大きく影響してくるからです。
良くないのはこの自分の仕事の意義の理解がないままに、自分のキャリアアップ、スキルアップばかりを求めることです。前述の多くの人との関係構築の話にも関わってきますが、そのような人は大事な場面で人から信頼されなくなると思います。その仕事は自分の目指すキャリアと違うから、自分の専門ではないからやりたくないとなってしまったり、みんながチームのため、顧客のために苦しい場面でも協力して頑張っているときにそこに意義を感じずにやり切らなかったり。こういう人に次にまた大事な仕事をお願いしたい、一緒に仕事をしたい、と思うでしょうか?究極的にはメジャーリーガーのイチローのような求道者タイプもありえますし、そのような人に私たちは憧れを抱いたりもしますが、本当に自分が追求する一芸で秀でることのみによって他者から必要とされる人材になりうる人は相当稀でしょう。そしてその道を歩むことは多くの人にとって相当苦しいことだと思います。常に他者よりも卓越したスキルを個人で身に付けなければならないのですから。もちろん他者に貢献するにも高いスキルを身に付けるべきですが、それと同時に自分が誰のために、何のために働いているのか、貢献しているのか、多角的に認識しておくべきなのです。

企業選びで重要なこと

ここまで延々と書いてきましたが、つまり企業選びにおいて自分の価値観と企業の価値観、そしてそこから派生する何のために働くのか、ということのマッチングが重要だということです。そこで自己分析および企業分析が重要になってくるのですが、問題になるのは学生の経験不足です。特に就業経験がほぼないので、何のために働くのか?とか企業の価値観とかピンと来ないですよね。だからインターンが非常に大切なのです。インターンで得られるものは仕事経験ということ以上に、その企業の社風・価値観、その企業が誰にどんな価値を提供しているのか、といったことが一つのサンプルとして体感できるということの方がより重要だと思います。
しかし、ここまで言っておきながらではありますが、それでも答えなんて見つからないでしょうし、それで良いと思います。自己分析とは言うものの、たかが20年しか生きていない学生が自分探しをしてみたところで限界があります。自分というものは探すものではなく作るもの、築き上げられるものと考えて、自己分析では今後のPDCAのための重要な仮説を立てるものと捉えた方が気も楽だと思います。

就職活動は貴重なキャリアの出発点

就職活動の企業選びは、重要な論点での仮説をもって望むべきで、それというのは価値観であり自分は何のために仕事をするのか、ということの仮説です。しかし、それは所詮仮説です。外れることもあるし後から気づくこともいっぱいあるし、新たな経験で自分の価値観が変わることもありえます。私自身も、新卒では今のメガバンクの前身の銀行に入社しましたが、2回転職(ここでいうPDCA)してメンバーズに入社しました。メンバーズにおいては、MEMBERS WAYが完全に自分の価値観とマッチングしているので、11年働いても全く飽きることもなく転職したいとも思いません。
正直に言えば、私が就職活動していた時期はここまでまじめに考えていませんでしたが、時代はどんどん変わって、良い大学に入れば良い会社に入れて幸せな人生を送れる、なんて時代ではなくなりました。難しい、大変なことを要求されているように思うかもしれませんが、就職活動のちょっとしたテクニックであり、自分のキャリアを考える良いきっかけくらいに考えてもらえたらいいのではないかと思います。多くの学生が満足のいく就職活動をできるよう、充実したキャリアを築けるよう願っています。